鉱山からの帰り道、自分のスキルの値がどのぐらいになっているのかを見ながら帰る。
ふと見ると、Snooping のスキルが他の値に比べるとちょっとだけ高い。
「うーーん、snooping なんてしてないのになぁ? DEX が、高いから自然に上がってしまったのだろうか?」
そこで、彼は次のようなことを考えた。
「後々、何か役に立つかもしれないから、snooping でも上げて置くか。街の外に居るNPCならば、噂で評判が落ちることもないだろう。」
そう考えつくといつも鉱山に向かうときに会う、NPCの戦士を思い出した。
「よし、あの戦士なら街から遠い位置にいるから、ちょうどいいだろう。」
彼はそう言うとその戦士のいる場所に向かって走り出していた。
そう、それが自分の手で地獄の門を開けることになるとは、知らずに......。
「あっ、いたいた。」
彼は、すぐに戦士を見つけることができた。
「よし、じゃあやるか。」
そう言うと、戦士をダブルクリックし、キャラクターウィンドウを開いた。
戦士の隣りに近寄り、キャラクターウィンドウのバックパックをダブルクリック。
「ぱふっ」
という音と共に、画面にバックパックが開いたグラフィックが表示される。
「なんだ、簡単じゃん。どんどんやろ。」
ぱふっ、ぱふっ、ぱふっ、ぱふっ、ぱふっ、ぱふっ、ぱふっ。
面白いように、バックパックの開く音が鳴りつづけた。
「なぁーんだ、簡単じゃん。 よし、この調子でスキルを上げるぞぉー。」
ぱふっ、ぱふっ、ぱふっ、ぱふっ、ぱふっ、ぱふっ、ぱふっ。
と、何十回やり続けたときだろうか?
画面左下にいつもと違うメッセージが表示された。
「あなたの評判は、dishonorable になりました。」
そう、スキルを上げることに夢中になった彼は大事なことを忘れていたのです。
神がいつも自分の側にいることを......。
「がぁーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!」
「こんな、街から離れたNPC相手でも、評判が落ちるんかぁーー!?」
そう、気がついたときには、もう手後れ。評判は、dishonorable に。
この後、街に戻った彼には皆からの冷たい視線が....。
鍛冶屋にいけば、PCから「どろぼうだ!衛兵!」と叫ばれる始末。※1
神はいつでもあなたの側で、あなたを見ています。
ゆめゆめ、お忘れなきように........。
※1:とりあえず、1段階目なんでしょうか? 衛兵を呼ばれても、攻撃はされませんでした。